CS(顧客満足)研修とは?CSの重要性や向上のための施策をご紹介

これまで「同じ商品なら、安ければ安いほどいい」という価値観のもと、熾烈な価格競争が行われてきました。しかし、現状は「同じ商品やサービスなら、できるだけ評判の良い企業から購入したい」という顧客が増えています。CSは企業の売上や評判に関わることであり、ホスピタリティも重視されます。多くの企業にとってCSの向上は、避けては通れない課題です。この記事では、CSを向上させるための施策について解説します。

1.CS(顧客満足度)とは

CSとは英語における「Customer Satisfaction」の頭文字を取ったものです。日本語では「顧客満足度」と訳されます。CSは、消費者が購入した商品やサービスにおける満足度を数値で表したものであり、口コミや文章による評価と比較して、より明確な評価を知ることができます。わかりやすいところでは、通販サイトや口コミサイトの星の数や、それに伴う数値もCSのひとつです。

CSは、企業において事業戦略や商品開発の方向性を決める際に指標として用いられます。注意が必要なのは、商品そのものだけに対する評価ではなく、顧客に対する接遇もCSに影響を与えることです。電話やメールなど問い合わせへの対応、通販などでは到着までのスピード、購入後のサポートなど、CSにはさまざまな要素が含まれていることを理解しましょう。

2.CSを向上させるメリット

CSの向上は、社外、社内の両方にメリットをもたらします。SNSなどで個人が気軽に思ったことを発信できる現代においては、CSの向上が良い口コミを生むことも少なくありません。口コミが拡散することで、新規の顧客も増加します。たとえば「このホテルの対応は金額以上でした」という口コミが拡散すれば、誰かが宿泊先を探す際に選ばれる可能性が高くなるでしょう。こうしてサービスや商品に愛着を持つ顧客はロイヤルカスタマーとなり、やがてはリピーターとなります。

継続的に企業が利益を生み出していくためには、リピーターの存在が欠かせません。新規の顧客開拓には限度があり、販路を広げるためには多くのコストがかかります。その点、リピーターは、1人の顧客が生涯にわたって企業に利益をもたらす「顧客生涯価値」を生み出します。顧客生涯価値が上がることは客単価の向上にもつながるため、おのずと利益が上がる仕組みが形成されます。リピーターが発信する口コミは、企業が行う宣伝以上の効果を生み出すことも多く、広告宣伝費の節約も期待できるでしょう。新規顧客を、そういった固定客に変えていくためにも、CSを意識することが大切です。

一方、リピーターだからといって対応を疎かにすると簡単にCSは下がります。リピーターには前回以上の対応を、新規の顧客には固定客になってもらえるような対応を心がけることが大切です。固定客が多いことは企業のイメージアップにもつながります。より多くの固定客を獲得し、営業の経費や広告宣伝費の節約につなげることで、CS向上のメリットを実感できるでしょう。

3.CSを向上させるための施策

CS向上の取り組みには、お客様に提供するサービスの品質を向上させる「サービス向上」と、提供したサービスに対するお客様の反応や、提供している従業員の現状を把握する「数値のチェック」の二つがあります。この二つをサイクルとして回すことで、CSが向上していく仕組みです。ここでは、CS向上における施策について解説します。

サービスを向上させるCS研修

CSを向上させるためにもっとも大切なことは、接客研修、接遇研修、ホスピタリティ研修などの実施です。中には、初めから高いCSを生み出す能力に秀でている人もいますが、決して多くはありません。そのため、接客マナーやホスピタリティの基本を学び、そのうえでCS向上のためにできることを身につけていきます。

「我が社は入社時に新入社員教育を行っているから問題ない」という企業もありますが、CS向上につながるサービスは、一度かつ短期間の研修で身につくものではありません。むしろ、業務に慣れているベテランほど、肝心な部分が疎かになっていることもあります。そのため、中堅社員向けのセミナーやワークショップも行い、社員の帰属意識を高めることが大切です。

研修では、徹底して「従業員の態度が顧客満足に関わる」ことを理解できるよう教育します。研修を通じてCS向上につながる対応を身につけ、企業全体で共有することで、サービス品質を一定に保つよう努めましょう。

数値チェックによる現状の把握

CS向上のためには、顧客の想像を上回るサービスや商品の提供が必要です。一方で、良いサービスを提供していても、それが顧客にどのような影響を与えているかを判断できる材料がなければ、継続的にCSを向上させていくことはできません。そこで必要になるのが顧客満足度調査です。

調査を行うことで、自社の商品やサービスに対する顧客の期待値を知ることができます。また、研修などで身につけたCS向上のための対応を実践している従業員にとっては「明らかに以前よりも顧客に喜んでもらえている」という、目に見える評価が何よりの報酬になります。結果として、従業員のモチベーション維持にもつながるでしょう。

顧客満足度調査

顧客満足度調査の目的はリピーターを創出することです。代表的な方法としては、アンケートの実施が挙げられます。たとえば「我が社を友人や同僚に薦める可能性はどれくらいですか」といった質問を入れることで、顧客も客観的にサービスの価値を評価できるようになります。「せっかくお金を払ったから」「いい思い出にしたいから」というバイアスを取り除く質問は、顧客が自社に対して持っている価値観のあぶり出しにもつながります。アンケートの結果は社内で共有し、顧客の声を反映してサービスや商品の改善につなげていくことが大切です。

アンケートはチェックボックス、テキストボックス、5段階のうちどれに当てはまるかといった数値による評価など、提供するサービスによって顧客が返答しやすい構成にすると生の声が聞きやすくなるでしょう。

従業員満足度調査

CS向上においては従業員満足度調査も欠かせない要素です。従業員満足度と顧客満足度には相関関係があるとされています。「顧客満足度を上げるためなら、従業員の犠牲もいとわない」という理論は成り立ちません。それどころか、従業員のモチベーションに悪影響を及ぼす可能性もあります。

そのような事態を防ぐためにも、従業員のやりがいやストレスの有無を数値化することは非常に重要です。従業員満足度の向上は、売上のみならず作業効率やコストの削減にも良い影響を及ぼします。従業員が自らの仕事にやりがいを感じ、その企業の従業員としての誇りを持つことで、顧客へのサービス向上も見込めます。

4.CS研修で学べること

CS研修で学べることは多岐にわたります。まずは、顧客満足度とは何か、顧客満足につながる接客マナーやホスピタリティとはどういうものなのかといった基本的な考え方を学びます。そのうえで、実際の業務に生かすためにはどうすればいいのかを、理論と実践の両面から学んでいきます。研修終了時の目標や状態は、それぞれの研修によって異なるものの、基本的には「顧客にいい印象を与える接客」から一歩進んだ「リピーターを生み出すための接客」を学ぶものと考えていいでしょう。

H&Gの研修サービスでは、顧客に「また来たい」と思ってもらえるような店舗を作るための方法を学べます。現場経験が豊富で、受講者と同じ経験や苦労をした経緯を持つ講師が、受講者に寄り添った研修を実施しています。また、業界動向や水準が加味されているため、研修後からすぐに実践できることも大きな特徴です。

5.CS研修の種類や選び方

CS研修には、外部講師を自社に招いて行う方法と、受講者が研修の開催場所に出向く方法があります。受講者が多い場合は自社に講師を招くほうが費用を抑えられる傾向があります。いずれにしても、もっとも重要なのは、研修の内容が自社の課題や業界に合っていることです。「研修は自社で行っているから問題ない」という企業もあるものの、専門性の高いスキルを身につけられることは外部講師の研修ならではのメリットです。また、自社に研修を行えるノウハウがない、そのためのコストが見合わないといった場合も効率よく人材研修が行えます。

人の密集が気になる場合は、オンラインでの研修を検討しましょう。オンラインの研修では、LIVEシステムを利用して全国の受講者同士がディスカッションできるなど、異業種交流も可能です。従業員が快く参加でき、かつCSの知識と実践力を身につけられる研修を選びましょう。

まとめ:CSを向上させるにはCS研修の受講が効果的

CSの向上はすぐに結果が出るものではありません。しかし、根気強く顧客満足度調査を続けていくことで、リピーターや良い口コミが増加し、ロイヤルカスタマーが育成されます。従業員満足度の高い企業はCSも高い傾向にあるため、従業員満足度調査も実施しましょう。H&Gで提供している従業員満足度満足度調査サービス「H&G ES」もおすすめです。

CS向上において従業員教育は非常に重要であり、CS研修は効率よく接客やホスピタリティについて学べる機会でもあります。H&Gで提供している「GA LIVE+」では、現場で働く従業員のサービススキルを向上させるためのサービススキル研修(接客スキル研修)といった講座を開催しています。オンラインサービスのため、全国どこでも場所を問わず、一流の講師陣から学ぶことが可能です。ぜひ、CS研修の実施を検討してみてはいかがでしょうか。

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投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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