電話でのクレーム対応のコツと気を付けたいポイントを徹底解説!

電話でのクレーム対応のコツと気を付けたいポイントを徹底解説!

電話でのクレーム対応は、対面とは違う難しさがあります。顔が見えない分、声のトーンや話し方から相手の気持ちを察する力が求められるためです。うまく対応ができず悩む社員に対して、適切なクレーム対応の方法を伝えたいと考える教育担当者も多いのではないでしょうか。この記事では、電話におけるクレーム対応の基本とコツ、気を付けたいポイントを解説します。

1.電話でのクレーム対応の基本的な流れ

クレームの電話を受けたときには、多少なりとも誰もが動揺するものです。しかし、基本的な流れを押さえておけば、スムーズにその後の対応へつなげられます。ここでは、電話におけるクレーム対応の基本と流れについて解説します。

1-1.お客様の話をきちんと聞く

クレームを受けると、つい自分にとって必要な情報を相手から聞き出したくなります。たとえば、いつ、どこで、誰が、何をしたのか、といった情報を、主導権を持って聞いていこうとするケースも少なくありません。一方、クレームの電話をかけているお客様にとって重要なことは「不快な思いをしている」ということに尽きます。そのため、相手の話をさえぎって、聞きたいことを問うような対応だと、お客様は尋問されているような気分になり、さらに不快感を抱きます。

このような状態にならないためには「何はともあれお客様の話を聞く」ことが大切です。何に不満を感じているのかといった情報は、話の中で必ず出てきます。聞き逃さないよう、メモを取りながら話を聞きましょう。電話では、こちらの様子が見えることはありません。しかし、どのような態度で電話を受けているかは確実に相手に伝わります。相手から見えなくても、相槌を打ちながら聞くと、真摯に聞いている印象を持ってもらえます。

1-2.誠意を込めて謝罪する

お客様の話を聞き、クレームの原因がわかったら、誠意を込めてお詫びの気持ちを伝えます。この際に注意するべきことは、企業側が問題を起こしたことではなく、お客様を不快な気持ちにさせてしまったことに対して謝ることです。この段階で、企業側が起こした問題に触れてしまうと、どうしても言い訳がましく聞こえたり、謝罪の前に「それでこちらはどうすればいいのか」と解決策を重視する返答になったりします。解決策は謝罪の後に提示するものと心得て、まずはお客様を気遣う言葉で心からの謝罪を行いましょう。

1-3.解決案の提示

クレームに対する解決法はひとつではありません。そのため、この段階で提示する解決案は、クレームの内容やお客様の要望に対して「これがベターである」と企業側が判断したものになります。当然「それでは困る」「本当はこうしてほしい」といった要望が出ることもあるでしょう。そのような状況でも慌てることのないよう、解決案は複数用意しておくことが大切です。商品の交換や修理、返品などが必要な場合は、その対応も行いましょう。

なかには、お客様による操作ミスなど勘違いによるクレームもあります。その場合でも、お客様が不安な思いをしたことには変わりありません。「私どもの説明が不十分でご不便をおかけしました」など、丁寧な言葉で解決案を伝えましょう。

1-4.感謝の言葉で締めて電話を切る

解決案を提示し、双方が納得できる方向性が定まったあとは、感謝の気持ちを伝えることが基本です。「クレームを出したお客様に感謝する必要はあるのか」と疑問を持つ人もいるかもしれません。ここで重要なポイントは、お客様は貴重な時間を使って電話をかけていること、不快な思いをしたにも関わらず、再度その時の状況を説明してくれていること、そして、クレームによって企業側にとっての改善点を示してくれたことです。

これらのことに対して「ありがとうございます」とお礼を言うことで、お互いにポジティブな気持ちで通話を終わらせられます。通話は相手が切るのを待ってから切るように心がけましょう。

2.電話でのクレーム対応の心得

電話でのクレーム対応は、言葉の選び方や話し方によって印象が大きく変わります。また、フリーダイヤルを除いて、電話料金が発生していることも事実です。ここでは、電話でのクレーム対応を行う際に、心得ておくべきポイントを解説します。

2-1.言い回しに注意する

電話でのクレーム対応で、もっとも注意しなければならないのが言葉の使い方です。言葉は使い方ひとつでお客様を刺激し、二次クレームに発展する可能性もあります。特に避けるべき言葉は「ですが」「でも」「お言葉ですが」といった反論や言い訳ととらえられるフレーズです。また、語尾を伸ばす話し方や、必要以上にトーンが高い声は、真摯な気持ちが伝わりにくくなるため、注意が必要です。電話でのクレーム対応では、言葉遣いひとつで会社のイメージが左右される要因になることを心に留めておきましょう。

2-2.電話の内容を録音する

クレーム対応では「言った」「言わない」の押し問答に発展することがあります。この問題を防ぐためには、電話の内容を録音するほかありません。録音記録があれば、担当者や上司への情報共有も円滑になります。電話を切った後に、顧客とのやり取りを聞き直して客観的な状況確認をすることも可能です。電話の録音は正しい理解のために必要なことではあるものの、クレームの電話をかけてきたお客様に対して、電話口に出た人間が「内容を録音します」と言うことは、心理的なハードルが高いものです。そのため電話がつながる前に自動音声で録音する旨を伝えられるよう設定するといいでしょう。

2-3.時間がかかる場合は折り返す

クレームの内容によっては、状況や事実の確認に時間を要することがあります。また、お客様によっては怒りが収まらず、電話が長時間に及ぶケースも少なくありません。その場合は、折り返し電話することも選択肢になります。確認に時間を要するのであれば、お客様の負担を軽減することになり、お客様の怒りが収まらない場合はクールダウンの時間を取ることができます。

折り返す場合は、必ず希望の日時を伺います。指定された場合はその日時に電話しましょう。指定がなければ30分以内が折り返しの目安です。いずれにしても「忘れていた」ということのないよう、十分に注意しましょう。

3.電話でのクレーム対応における注意点

電話でのクレーム対応は、二次クレームに発展するケースが少なくありません。その多くが、以下に挙げる注意点を守らず、対応に臨んだ場合です。ここでは、電話でクレーム対応をするときに気を付けるべきポイントを解説します。

3-1.話を途中で遮らない

お客様にとって企業側にもっともしてほしくないことは、話の腰を折られることです。企業側が話を遮った段階で、お客様の怒りはヒートアップしやすくなります。「人の話も最後まで聞けないのか」などと言われた場合には、答える言葉さえありません。お客様の話は遮らず、話し終わるまで口を挟まないことが基本です。また、反論や言い訳などもしないよう心がけましょう。一方、ただ聞いているだけでは、その後の解決案の提示が難しくなります。聞き取りに集中しながらも大切なポイントはメモを取り、その後の段階に備えましょう。

3-2.相手を否定しない

サービス業では、どのような仕事であっても、お客様よりもプロである必要があります。しかし、プロ意識をはき違えると、お客様のクレームに対して反論したり論破したりする傾向が出てくるため、注意が必要です。特に、一方的な苦情に対し「それはお客様個人の問題です」などという言葉で相手を否定すると、お客様は自分に落ち度があると捉え、反感を買ってしまいます。一部のクレームは、プロの目線からは納得がいかないことや矛盾があると感じることもあるでしょう。それでも、否定せずに話を聞くこともプロとしてのスキルです。

3-3.根拠のないことを言わない

誰しも、クレームの長期化は避けたいものです。だからといって、根拠のないことを言ってその場を済ませようとすると、後に大きなクレームに発展する可能性があります。根拠のない返答とは「お代をお返しします」「この分をサービスします」など、自分の権限ではできない解決案を提示することです。それらが不可能な場合「できもしないことを言った」となり、企業の信頼を損ねることにもなりかねません。解決案は早く提示することよりも確実性を重視し、担当者や責任者の判断を仰ぐことが大切です。

また、あいまいな返事やごまかしは、さらにクレームが長期化する恐れがあります。初めての電話ではクレーム内容の確認をすることが先決です。一度、電話を切って上司や責任者と相談してから折り返しましょう。

3-4.たらい回しにしない

クレームの中には自分で対応できないものもあります。その場合は、部署や担当者を変える判断も必要です。一方、何度も担当する部署や担当者を変えることは、相手にとっては「たらい回し」に他なりません。いつまでも問題が解決しないため、お客様を苛立たせてしまいます。もっとも避けなければならないのは、担当者が変わるたびにお客様に説明を求めることです。同じ説明を何度も繰り返すことは、お客様にとって大きなストレスになります。最初の担当者は内容を正確に把握し、一度で適切な部署や担当者につなげて、お客様を待たせないことが大切です。

以下の記事では、メールでのクレーム対応方法について解説しています。

4.クレームの対応力アップのために研修サービスを利用しよう

クレーム対応における従業員教育は、企業の成長に必要不可欠な要素です。一方で、企業内でこれらの内容を教育することは難しいという実情もあります。特に、サービス業は現場での仕事が優先されがちで、知識や教養を深めるための時間が取れない、そもそもトレーニングを行える人材がいないという問題を抱えているケースも少なくありません。その場合は、H&Gの「GA LIVE+」「GA Premium」など、外部の研修サービスを利用することもひとつの選択肢です。

「GA LIVE+」はオンラインの研修サービスです。サービススキル(接客技術)の講座では、クレーム電話対応の講座や、対面でのクレーム対応の講座を提供しています。また、講座中は受講者同士のディスカッションも行われ、フィードバックをもらうことで、自分の対応がお客様にどのように受け取られるかを理解できます。

「GA Premium」は現場での実践を重視した対面型研修サービスです。長年サービス業に従事し、経験も豊富な講師陣による指導が受けられます。クレーム対応の講座も含まれており、ロールプレイングも行われるため、より実践的に学べます。難しいとされるクレーム対応も、これらの研修サービスを受講することで確実に身に付けられます。

まとめ:ポイントを押さえて電話でのクレーム対応を円滑にこなそう!

電話でのクレームには言葉遣いや言い回しなどに注意しながら、誠実に対応する必要があります。今や、サービス業における従業員のクレーム対応力の向上は不可欠であり、競合他社との差別化を図る意味でも重視すべき教育項目です。「GA LIVE+」「GA Premium」などの研修サービスを利用してクレーム対応力を養い、お客様満足度の向上を目指しましょう。

クレーム対応については下記記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。


グローイング・アカデミー 担当者グローイング・アカデミー担当者

投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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