納得しないお客様のクレーム対応はどうすべき?解決策やポイントを紹介

納得しないお客様のクレーム対応はどうすべき?解決策やポイントを紹介

さまざまな仕事でクレームが生じることがあります。特にサービス業に従事する人にとって、なかなか納得してくれないお客様のクレーム対応は困りますよね。何を言っても納得しないお客様もいますが、それはごく一部です。多くの場合、お客様が納得できない理由があります。この記事では、お客様がクレーム対応に納得しない原因と解決策を解説します。

1.クレーム対応に納得できない理由は?

多くの場合、クレームは予期しないタイミングで起こります。それはお客様にとっても同じことです。「期待を裏切られた」という事実は、相手からの適切な対応がなければ納得できるものではありません。ここでは、お客様が納得できない理由について解説します。

1-1.企業の対応スキルが不足している

自社のクレーム対応の中で「同じケースのクレームなのに、あの社員が対応するとたいていのお客様は納得してくれる」ということはありませんか。反対に「あの社員に対応させるといつもクレームが収まらない」というケースもあるかもしれません。その理由は、個人の対応スキルの違いにあります。前者の社員は言い訳をしません。だからといって、平謝りに徹したり、お客様に許しを請うたりすることもありません。クレーム客の心情や要求など、気持ちに寄り添って話を聞くことに徹します。

一方、後者の社員はお客様の気持ちに関心を持たず「許してほしい」「他社から仕入れた原料に問題があった」など、自分の要求を通したり、他人の責任にしようとしたりします。このような対応では、いつまでも納得してもらえない状況に陥りやすくなります。企業全体が後者のようなクレーム対応をする体質になっていると、お客様は対応した社員のみならず企業に対して不信感を持つようになります。

1-2.企業が提示する内容に不満がある

一般的に、クレームは話を聞くだけで終わることは稀です。お客様の不満に対して、企業は「謝罪の気持ち」を何らかの形で示す必要があります。しかし、お客様側の要望と企業側の提案がかけ離れている場合は、納得を得られません。

たとえば、料飲関連のサービス業でありがちな、サービス中にお客様の衣類を汚してしまったケースでは、謝罪の後に「衣類を元の状態に戻すための方法」を提案します。お客様はクリーニングにかかるおおよその費用を、今日支払ってもらいたいという要望を持っていたとします。一方、企業側は、後日汚れた衣類を預かって自社でクリーニングを行い、返却したいと考えています。そして、話をよく聞かずに「当社ではそのような措置を取るよう決められているので、お客様の要望をお聞きすることはできません」と突っぱねたとします。

このような状況は、お客様の怒りをあおるだけです。なぜなら、お客様はその後幾度となく繰り返されるやり取りを嫌がっており、その場で解決したいと考えているからです。遠方から足を運んでくれた可能性もあります。押し問答が続くと「別のところは対応してくれた」と同業他社の対応を持ち出して圧力をかけられることも少なくありません。

2.納得しないお客様のクレーム対応に悩まされないために

クレーム対応は非常に重要ではあるものの、1件のクレームに膨大な時間を費やすことは、他のお客様に迷惑をかけたり、企業に損失を与えたりすることにもつながります。ここでは、納得しないお客様のクレームに対して、企業でできる解決策を解説します。

2-1.適切なクレーム対応を身に付ける

多くの場合、初めにクレームに直面するのは現場の従業員です。それは、社員に限ったことではなくアルバイトである可能性もあります。「クレームが起きたらすぐに上席へ報告し、その後の対処は任せる」というルールを作っている企業もありますが、お客様によっては、状況を知らない上席が対応することに納得しないケースもあります。そのため、従業員には研修や教育を行い、適切なクレーム対応を身に付けさせることが重要です。

クレームの内容や要望はお客様によって異なります。まずは、お客様の話を丁寧に聞くこと、具体的な要望を汲み取ることが大切です。また、連絡先や住所、状況の詳細を伺うなど、お客様に何かをお願いするときには「恐縮ですが」「恐れ入りますが」といった、クッション言葉を使えるようにしておくと、お客様の気分を害せずに話を進められます。

2-2.事実と経緯を確認する

クレームには、必ず事実と経緯があります。「お客様が怒っているからとりあえず謝罪する」という意識では、事実と経緯を確認できません。そればかりか、詳細を確認しないことにお客様がさらに気分を害する可能性もあります。基本的には、企業側に落ち度があるという前提で話を聞いていきますが、中には認識の違いや勘違いがクレームにつながっているケースも少なくありません。

たとえば「料理の中に髪の毛が入っていた」というクレームを受けたとします。この場合、その髪の毛が従業員のものなのか、お客様のものなのか確認しなければなりません。事実確認には多少の時間がかかることがほとんどであり、ひとまず「ご迷惑をおかけしています」「内容を確認しています」という返事をし、放置しないことが大切です。たとえお客様の髪の毛だったとしても、お腹が空いているのに料理を食べられない状況にあること、不安な思いをさせていることは事実であり、一声かけるだけでも印象は変わってきます。

2-3.基本的な対応はマニュアル化する

クレームにはある程度の傾向が存在します。業種や業態によって発生しがちなクレームは「よくあるクレーム」としてデータ化できますし、店舗の構造や空調の位置など、ハード面での特徴から「予測できるクレーム」をまとめることもできます。このようなクレームに関してはある程度のマニュアル化が可能です。マニュアル化することで担当者の力量に頼らない、適切なクレーム対応ができるようになります。

一方、マニュアルに記載されている内容の実践を従業員に強要することは望ましくありません。マニュアル化された対応が二次クレームを引き起こす可能性があるからです。そのため、マニュアルはあくまでも基本的なスキルとして位置づけ、研修とあわせて従業員のクレーム対応の質を均一化することが大切です。

3.クレーム対応のコツ

クレームの対応は、対面、電話、メールで行うことがほとんどです。適切に対応するためには、それぞれのケースにおけるコツをつかんでおく必要があります。ここでは、ケースごとに留意しておくべきコツを解説します。

3-1.対面でのクレーム対応のコツ

対面でのクレーム対応で、もっとも重要なポイントは話を聞く姿勢です。不満を持つお客様の目は厳しく、普段であれば気にならないことでも「誠意がない」と判断する材料になってしまいます。表情や態度には細心の注意を払い、背筋を伸ばして丁寧なお辞儀をするといった、基本的かつ誠意が伝わる姿勢を心がけましょう。

ときには、お客様の話が長くなることや、話の途中で「これはあきらかに企業側の問題ではない」と判断できることもあります。それでも、投げやりで反抗的な態度を取ったり、腕や脚を組んだりすることはあってはなりません。また、時計を頻繁に見ることは、相手に「早く終わらせたいと思っているのだろう」と考えさせてしまうため、避けましょう。

3-2.電話でのクレーム対応のコツ

電話でのクレーム対応で、もっとも避けるべきことは、たらい回しにすることです。何度も担当者や部署を変え、ひいてはお客様に電話番号を告げてそちらに電話するようお願いすることは、より一層お客様の気分を害します。また、言葉遣いにも注意が必要です。電話では顔が見えません。穏やかに話していてもお客様の心中は、想像以上に傷ついている可能性もあります。

クレームの電話は、受けたら即座に対応することが基本です。しかし、確認に時間がかかる場合など、お客様の負担になりそうなケースでは、一度電話を切って企業側からかけ直したほうがベターです。電話を切る時は「申し訳ございません」といったお詫びの言葉よりも「電話をいただきありがとうございます」といったポジティブで感謝の気持ちが伝わる言葉が好ましいでしょう。

電話でのクレーム対応については、以下の記事で詳しく紹介しています。

3-3.メールでのクレーム対応のコツ

メールでのクレーム対応は、相手の顔が見えないことに加え、電話のように声のトーンなどの判断材料が少ないため、より慎重な対応が求められます。メールの文面に誤字や脱字がないことはもちろん、名前や宛名なども間違いがないか、作成後に必ず確認しましょう。

ビジネスでメールを多用していると、ついビジネスライクで冷たい印象を与える文面になることもあります。文字だけのやり取りは誤解も招きやすいため、言い回しや言葉遣いには十分に気を付けましょう。また、メールでのクレーム対応は時間がものを言います。いつまで待っても返信が来ないという状況は、お客様の怒りがエスカレートすることにもつながりかねません。遅くとも24時間以内の返信を心がけましょう。

メールでのクレーム対応については以下の記事で詳しく紹介しています。

4.クレームの対応力向上にはH&Gの研修サービスがおすすめ

多くの企業で「クレーム対応は非常に重要な業務である」とされています。その理由は、企業の評判を下げないためだけではありません。クレーム対応にお客様が想像以上の満足感を得た場合、リピーターになってくれる可能性もあるためです。一方で、スキルを上げるためにクレーム対応の経験を積むことは、従業員にとって非常に大きな精神的負担になります。また、お客様にとっても余計なストレスを与えることになりかねません。

H&Gでは、現場のクレーム対応に課題を感じている企業に対して、プロによる研修サービスを提供しています。「GA LIVE+」は、サービス業特化型の定額制オンライン研修サービスです。「サービススキル(接客技術)」のクラスでは、対面、電話でのクレーム対応の研修を受けられます。

「GA Premium」は体感型研修で、ロールプレイとディスカッションを中心とした研修サービスです。サービス業の現場経験の豊富な講師陣による指導で、現場での実践的なクレームの対応力を身に着けられます。また、ロールプレイング形式なので、受講生同士のフィードバックがあるため、自分の対応がどのように受け取られるかをその場で実感し、学ぶことが可能です。異業種からの参加者との交流で、より広い視点へと知識を広げることも可能です。

H&Gでは、上記のようなクレーム対応力向上のための講座を多数開講しております。従業員のクレーム対応力を向上させたい人材育成ご担当者の方は、以下資料で講座詳細をぜひご確認ください。

まとめ:研修を実施して従業員のクレーム対応スキルを向上させよう!

顧客満足度が企業の業績を左右する現状において、クレーム対応における素早い対応力と丁寧な姿勢を身に付けることは、雇用形態や社内でのポジションに関わらず必須です。一方、日常業務の中でクレーム対応のスキルを習得することは簡単ではありません。クレーム対応のスキルを高め、多くのお客様に支持される企業として成長するためにもH&Gの「GA LIVE+」「GA Premium」などの研修サービスを検討しましょう。

また、クレーム対応については下記記事でも解説しているのであわせてご覧ください。


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グローイング・アカデミー 担当者グローイング・アカデミー担当者

投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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