働き方改革関連法により起きている負の側面

今回は、働き方改革関連法により起きている現状についてご紹介いたします。

まず働き方改革のおさらいです。
働き方改革とは、一億総活躍社会を実現するための取り組みで、2018年6月29日に成立し、同年7月6日に公布された、働き方改革関連法が、

・労働基準法
・労働安全衛生法
・労働時間等の設定の改善に関する特別措置法
・じん肺法
・雇用対策法
・労働契約法
・短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
・労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律

上記8つの労働法に対し、今年4月より随時適用され、これにより労働者にとっての働きやすさの改善から、生産性の向上や健康の維持が期待されています。

そんな働き方改革関連法ですが、実際のところ「中間管理職」においては、逆に負担が増加してしまっている実態があります。
以下、株式会社パーソル総合研究所の「中間管理職の就業負担に関する定量調査」より抜粋。

1.働き方改革で業務量が増す中間管理職
昨年2018年から働き方改革が進んでいる企業群と進んでいない企業群を比較すると、働き方改革が進んでいる企業群の方が中間管理職の負担感は増している。働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%(進んでいない企業群では48.2%。全企業の平均52.5%)。また、働き方改革が進んでいる企業群では組織の業務量の増加は69.0%(進んでいない企業群では36.3%)、人手不足は65.7%(同44.2%)、時間不足から付加価値を生む業務に着手できないは56.9%(同42.3%)となった。

この結果より、一般の労働者の負担は軽減されつつあるかもしれませんが、その分の負担が中間管理職にしわ寄せされている事が分かります。これでは、せっかく働き方改革を積極的に進めていても本末転倒でしょう。

また同調査では、もうひとつ中間管理職と人事との認識の相違について、とても興味深い内容も報告されております。

2.中間管理職と人事の認識の食い違い
「中間管理職が抱える業務上の課題」について、中間管理職本人と人事の認識には食い違いがあることが明らかとなった。中間管理職本人が課題と感じている割合が高かったのは、1位=人手不足(57.5%)、2位=後任者不足(56.2%)、3位=自身の業務量の増加(52.5%)。一方<中略>人事が考える割合が高かったのは、1位=働き方改革への対応の増加(52.0%)、2位=ハラスメントの対応の増加(42.7%)、3位=コンプライアンスの対応の増加(38.7%)。中間管理職本人は、人材や時間の不足を感じているが、人事の意識は法やリスクへの対応に偏っている。中間管理職への支援について、人事の約4分の1(24.0%)が「特に行っていない」。

たしかに、ハラスメントなどの法やリスクへの対応は、昨今強く求められています。ただし、中間管理職が抱えている問題に関しても、同じくらいの危機感を持つ必要があります。対応が求められる優先順位は、各企業によって異なるため、まずは現状の課題を早期に把握して、対応策を見出す迅速な動きが求められてきます。

課題把握の手法は、社内アンケートを推奨します。さらに匿名形式であれば、社員の正直な声を集められ、現状の課題を正確に把握できます。社員の正直な声を集めるのは、抵抗を感じる場合もあるかもしれませんが、課題を把握することは、働き方改革の目的である、生産性の向上や社員の健康維持を実現するための対応策を構築する正確なヒントとなるでしょう。この機会に是非、社内でのアンケートに取り組んでみてはいかがでしょうか。

また弊社H&G(株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパン)では、従業員満足度調査を実施する『H&G ES』というサービスをご用意しております。本サービスは、企業の課題を明確にさせるための従業員アンケート調査だけに留まらず、その結果に基づき、課題の優先順位を付け、より効率的な解決策をワンストップでご提供いたします。ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。(H&G ESの詳細はこちらより

グローイング・アカデミー 担当者グローイング・アカデミー担当者

投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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