誰でも入りたい会社の条件はユニークな制度と人財育成の取り組み

株式会社グラットン様 導入事例 ※掲載している内容は取材当時のものです

今回お伺いしたのは、広島県福山市にある「株式会社グラットン」様。「食辛房」「カルビ天国」「肉亭いちゆく」「529MEATBOX」「肉匣」などのブランドを中心に肉業態の飲食店を広島県内に展開している会社です。会社と社員の成長のためにH&G CLUB[以下、H&Gクラブ]とGROWING MOBILE[以下、グローイング・モバイル]を導入し、毎年新入社員研修にご参加いただいております。様々な取り組みを行った結果、「働きがいのある会社ランキング」で2020年度ベストカンパニーを受賞されました。また、有志塾にもご参加いただいています。今回は専務取締役 金 良高様にお話を伺いました。

会社を成長させていくために「学ぶ社風づくり」が必要

人財育成に力を入れるようになった理由を教えてください。

金様
創業時から出店を重ねる中で、離職率が高い状況が続きました。労働環境もそうですが、教育の体制が整っておらず、店長をはじめ人が育たないため、環境をキープすることができなかったからだと思います。飲食は学歴関係なくできる業態なので、勉強が苦手という人が多いと思います。そのためか、スタッフが外部研修に参加したりもしましたが、受講に対して前向きになれない人も多く、「学ぶ社風」ができませんでした。ただ、現社長への世代交代をしたときに経営幹部陣が大きく変わり、第二創業期が始まったんです。その時に「学ぶ社風」を作らなければ、会社の今後の成長に繋がらないという考えに至り、教育に力をいれる方針になりました。

どのように教育体制を変更されたのですか?

金様
まずは幹部から外部研修を積極的に受け、マインドチェンジを行いました。そうすると、幹部メンバーが変わった様子を見たスタッフたちも、「自分も研修に行ってみたい」と思う雰囲気がでてきたと思います。そこから学びに対しての特別手当を作りました。例えば、「文献手当」という200ページ以上の本を読みレポートを提出することでもらえる手当、「ベンチマーキング手当」という繁盛店での店舗視察を行い、レポート提出をするともらえる手当、という特別手当制度です。

また、「店長育成塾」を6~7年ほど前に作りました。それまでは店長になれる基準や教える内容が定まっていませんでしたが、店舗の出店には優秀な店長を育てなければなりません。そこで、店長に必要な人格・スキルを見える化し、9カ月で店長になるためのプログラムを作りました。

そこから派生したのが「グラットンアカデミー」です。このように様々な体制を整えたことで、先に研修を受けたメンバーが研修内容をシェアするようになり、学ぶ社風が当たり前になってきました。また、3年前から新卒採用を積極的に行っております。今年までは5名ほどでしたが、来年は13名の採用を検討しています。

人不足で困っている企業がたくさんある中で、積極的な採用ができているのはすごいですね。選ばれる会社になるための取り組みとして、どのようなことをされていますか?

金様
飲食業は、飲食が好きでどうしてもやりたい!というよりも、食関係の学校に行っていた学生が、一つの選択肢として選ぶことが多いと思います。数ある内定先の中で選ばれるためには、休日数や適正な労働時間などの労働環境を、他の企業と遜色ないようにすることが一つでした。もう一つは自社の魅力を増やすことですね。魅力の質もそうですが、数を増やすことも大事だと思っています。今まで、採用チームでアイディアを出しながら、48個の福利厚生を作ってきたことも強みだと思います。

新入社員を辞めさせないための新入社員研修

社内には独自の「グラットンアカデミー」がありますが、新入社員についてはどういった研修を行っていますか?

金様
採用するだけではなくて、入社後ももちろん大切です。我々の考え方では人を「採用」「育成」「定着」「活躍」の4段階に分けています。新入社員が入社してから半年までは新入社員育成のルーキー会に参加してもらいますが、その前の最初の研修はH&Gの新入社員研修です。
今まで社内で新入社員研修を実施しておりましたが、教える人の差によるバラツキがありました。なので、最初はプロの講師にビジネスマナーなどをしっかりと教えてもらうことが大切で、更に新入社員にとってもいい刺激になりますし、結果として会社にとってもありがたいなと思っています。

新入社員研修に参加していただいてどうでしたか?


金様
一番良かったのは他社の新入社員の方と一緒に学べるところです。しかも参加者が同じサービス業の方なので、分かち合える部分もあると思います。仲間ができて、「あの子たちが頑張っているなら、自分も頑張ろう!」という刺激を受けながら、意識が高まったと思います。新入社員にとって入社して半年間は一番辞めやすい時期なので、スタートが大事ですよね。新入社員研修もそうですし、その後毎月ルーキー会をすることによって仕事上の悩みや自分が思っている違和感を吐き出させて、それを全部解消することになって最終的に定着率につながっていると思います。

ルーキー会の他にどんな研修がありますでしょうか。

金様
アルバイトリーダーと店長候補に一番力を入れており、アルバイトリーダーに対しては「ミライ塾」という研修を年間10回実施しています。とはいえ、まずはアルバイトの人が学びたい、と思えるような形まで持っていくのが大変です。研修に対しては、基本的に時給を発生させていないので、本当に学びたいと思う人しか来ません。だから、コンテンツ自体に魅力がないとなかなか集まらないと思います。

そもそも、なぜアルバイトの研修をやり始めたかというと、社員とアルバイトの間のモチベーションのギャップが大きくて…たとえば1店舗にスタッフが20名だとすると、社員が2~3名、残りの17~18名はアルバイトなんです。店長の人間力が強くないと、アルバイト全員の認識を合わせるのがすごく大変。だとしたら、出店を加速しようとする時に、やはり会社がある程度店長がやりやすい環境を作ってあげないといけないと考えました。そこで、アルバイトと社員の間にいる、アルバイトリーダーの役割が大切だと感じ、それなら社員と同じような目線まで引き上げて、もっといい店づくりに貢献してもらおう、という取り組みとして「ミライ塾」を始めました。今は2ヵ月に1回のペースで実施しています。

H&Gクラブの活用でアルバイトリーダーの教育を実施

アルバイトリーダー育成の「ミライ塾」ではどんな研修を行っていますか?

金様
基本的に店舗のQSC (クオリティ・サービス・クリンリネス)についての研修です。弊社では店舗の覆面調査を定期的に実施しており、その覆面調査のレポート結果を見たうえで、アルバイトリーダーたちには改善策や取り組みについてプレゼンをしてもらっています。最終的には、改善策などを店舗で実施し、覆面調査に現れてほしいのですが…。そういった取り組みの基本を知ってもらうためにも、基礎教育の研修が必要だと考えています。なので「ミライ塾」ではまずQSCの基本を伝え、なぜそれが必要なのか、どうしたらそれができるのか、ということから教えています。そして現在は、H&Gクラブのオンデマンド講座を使って研修を実施しています。

アルバイトリーダーの研修にH&Gクラブを使った理由は何でしたか?

金様
コンテンツが充実しているだけではなく、誰でも簡単に運用ができそう、という点に魅力を感じ導入しました。自分たちで教育をしているときは、コンテンツを作ることが一番大変でした。そこで、H&Gクラブに入っているコンテンツを利用すると、受講生のテキストの準備もできて、ファシリテーター用の資料もあるので、あとは動画を使って研修を実施するだけです。研修の質を担保できるだけではなく、こんなにコンテンツが充実しているのに安価で研修を実施できます。

H&Gクラブのコンテンツを具体的にどのように活用していただいていますか?

金様
ミライ塾の研修をする時に、僕らはインプットとアウトプットのバランスを意識しています。インプットはH&Gクラブのコンテンツを使って、アウトプットは覆面調査に関するプレゼンです。店長たちにアルバイトリーダーたちにどんなことを学んでもらいたいか僕がヒアリングしながら、コンテンツを決めています。アルバイトリーダーが仕事の楽しみ方とかホスピタリティマインドの研修をやることによって、自分の仕事としてやらなければならないことはただ作業だけではなく、お客様に対するホスピタリティを高めていくことだという意識を楽しみながら持ってもらえるので、すごく良いコンテンツだと思っています。ミライ塾を初めて今3年目ですが、社員になった方は2名います。様々な研修に取り組んだことによる成果だと思っています。

グラットンの教科書は「グローイング・モバイル」

グローイング・モバイルも導入いただいていますが、どのように活用されていますか?

金様
まずはオペレーションマニュアルの導入です。たとえば、オリジナルコンテンツの中に入っている挨拶の動画を見れば、「元気な挨拶」の基準がわかる、という使い方をしています。中途入社の方は飲食店での経験はありますが、「グラットン」での基準については覚えていただく必要があるため、グローイング・モバイルのコンテンツとしてマニュアルを導入しています。また、今まで先輩社員が新人アルバイトに付いて現場で教えていましたが、生産性が低いな、と。教科書があれば、その場でやらなくていいことは、事前にやってもらい、その分OJTの質が上がっていくなと感じています。また、評価制度はアルバイトにも適用しているものなので、基準を統一するために、評価制度もグローイング・モバイルの中に導入しました。

導入研修のような形で使っているんですね。今後はどのように活用していきたいですか?

金様
今後は色々な情報をどんどん詰めていきたいですね。調理スタッフ用のレシピとか調理手順も入れ込んでいきたいと考えています。現在、調理に関する教育は作りながら、その場で教えています。やはり失敗したりするので、食材のロスが出てきますよね。だったら、まずは動画でいいじゃないかと考えています。動画とレシピを見てきた上で、確認するために作ってもらえば、完成まで早くなりますし、ロスも少なくなります。他には社内の書類関連や福利厚生を申請する際の手順などをグローイング・モバイルに載せれば、今まで誰に聞けばいいか分からない、などの問合せが解消できるのではと考えています。

人財育成の取り組み成功のポイントは、導入タイミングとパートナーの担当者

人財新入社員を辞めさせないための育成が重要だと思っているけれど、実際どこから始めればいいか分からない経営者の方もたくさんいると思いますので、ぜひアドバイスをいただきたいです。

金様
弊社が人財育成を始めたタイミングは8店舗の運営をしていた時期で、まだ店長が8名しかいない頃でした。現在は15店舗になったので状況が違います。今、何か新しい仕組みを作ろうと思えば、まず全員に共有するのが大変ですし、労力もかかります。店舗拡大に伴い、中途社員を採用していますが、やはり頭の中に自分の基準があるので、なかなか浸透していくのが難しく感じますね。なので、多店舗展開をするのであれば、早い段階で基盤や仕組みを作ると、やりやすいなと思います。弊社では早い段階で人財育成に力を入れたことにより、現在、社員の定着率は90%にまでなりました。ほぼ人が辞めないですし、どんどん成長してくれています。

定着率90%は高いですね。すごい!!でも一人で人財育成を担当されていると大変ではないですか?

金様
そうですね、弊社のような規模ですと、人事担当者が1~2名ぐらいしかいないので、体制を作り上げるのはすごく大変です。僕の場合はH&Gの営業担当者と二人三脚で進めてきました。判断するための情報を提供していただいたり、色々な取り組みを一緒に考えたりしてもらったので、本当に助かります。ただ、商品を売って終わりではなくて、導入した後にもしっかり運用フォローまでやってくれる方じゃないと…。たとえ商品がよくても、世の中に似たようなものはいっぱいありますから。僕は、選ぶ時には、営業担当者も含めて選ぶことが多いので、H&Gの商品を選んだ理由も、担当者の人柄を含めてですね。

最後に、今後どのようなビジョンをお持ちでしょうか?

金様
「ニュー(新)3Kプロジェクト」を進めています。労働環境において「3K(きつい、汚い、危険)」という言葉があります。「ニュー3K」は、グラットンで働いている人は「カッコいい」「稼げる」「叶える」という会社にしていきたいと思っています。また、飲食業は社会的地位がどうしてもまだ低いなと感じているので、将来、僕らが培ってきたノウハウを、様々な周りの飲食業の方々にも提供し、飲食業全体を盛り上げていきたいですね。そのためにも、全国の外食業の人事担当者専用オンライン会を作ろうと考えています。また、更にネットワークを広げるためにも、H&Gの「有志塾」なども活用しながら、コミュニティを広げていきたいと思います。

お客様情報

会社名
株式会社グラットン
従業員数
330名(2020年6月30日現在)
店舗数
14店舗(2020年6月30日現在)
資本金
1000万円(2020年6月30日現在)
売上
13億4415万円(2020年3月期)
業種業界
中華料理・その他の東洋料理店
事業内容
飲食店経営、人財紹介事業、食品製造卸売、出張BBQ
URL
https://9141.jp/glutton/

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グローイング・アカデミー 担当者グローイング・アカデミー担当者

投稿者プロフィール

株式会社ホスピタリティ&グローイング・ジャパンにて、
各種サービスの企画担当を経て、現在はマーケティング部門にて編集を担当。
学生時代は居酒屋店員として4年間のアルバイトを経験し、飲食店の現場事情に精通。
今でもお店を訪れるとスタッフの動きが気になってしまう、自称『店舗事情ウォッチャー』。

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